僕は現役ホテルマンで10年以上勤務をしています。料飲部所属で、レストランサービスとして、毎日沢山のお客様にサービスをしています。
ところで、出禁って聞いたことあります?お店とかを出入り禁止になるってことです。
悲しいですし、寂しいですよね。せっかくのお気に入りのお店が出入り禁止になるなんて、、でも事情があるんです。もしかしたら、自分も気づいていないうちに少しずつ出禁リストに近づいている、、ってこともあるかもしれません。
- 出禁って本当にあるの?基準は?
- Case1:アルコール依存症 Fさん
- Case2:スピリチュアルルーム Nさん
- Case3:変態芸能関係者 Oさん
- まとめ
出禁って本当にあるの?基準は?

そもそも出禁って、現実にあまり聞かないですよね?「私、あのお店出禁なの。」って(笑)
お店も沢山のお客さんに来てほしいですから、そう簡単には出禁にはしません。
売上を支えてくれているお客さんが来なくなるということは、スタッフの給料が減ることに直結しますから。
それでも、出禁にするっていうことは相当です。
基準というものは、その時の判断にはなると思いますが、一番は『周りのお客様、スタッフに迷惑をかける』というところではないでしょうか。
一人のためのお店ではないですからね。
Case1:アルコール依存症 Fさん

まずは一人目、Fさん。
40代、男性サラリーマン営業職です。
ホテルの近くに住んでいて、実家暮らしです。
この人は、いわゆるアルコール依存症だったんです。
”ジン”っていうお酒ご存じでしょうか?ジントニックのベースになる、お酒ですね。
あれって、ジンだけだったら45度くらいあるんですよ。それを、ロックで飲むんです。

えッ!ジンをロックで!?だ、大丈夫ですか?
って感じです。
最初に聞いた時は。
しかも、夜にバーに来て飲むのではなくて、お昼の12時くらいにお一人で来られて、飲むんです。
完全に場違いです。
例えば、お孫さんの誕生日祝いの食事会をしているご家族様の隣で、一人でジンのロックをガブガブ飲んでるんです。
怖いですよね?
実際に横を通り過ぎおるお客さんが、「将来あんな風にはなったらあかんな。」と言ってしまうほどです。
一人で何をしているかって、ipadでYouTubeを見てるんです。
もう家でやってくれ。
そう感じずにはいられません。
高校生がダンシングヒーロー踊ってる動画を見て、僕に語り掛けてくるわけです。
「こいつら、ほんまにキレが違う。なぁ、そう思うやろ?荻野目洋子って知ってるか~?俺らの時は流行ってなぁ!」
荻野目洋子さんも、こんな人にこんなシュチュエーションで褒めてもらってもあんまり嬉しくないんじゃないでしょうか。
飲みすぎて、歩いて帰れなくなって、実家に電話してお母さまに迎えに来てもらったこともあります。

もう、、、40歳超えて、お母さまに迎えに来てもらうなんて、ダメでしょ、、、
ほんとに、困っていました。
毎週末必ず来るんですね。
でも、いきなり出禁にはできなくて、それなりの理由があって、段階を踏んでいかないといけません。
①必要最低限の接客しかしない
②他のお客様に迷惑がかかっていることを伝え、同じようなことで他のお客様に迷惑がかかったら出禁にする、と伝える
③出禁
のステップを踏みます。
①の必要最低限の接客しかしない、というのはどういうことかと言いますと。
お金はいただいているので、席は用意する、お酒は提供する、のみであとは”放置”ということです。
ホテルって、おもてなしとかホスピタリティを求められるじゃないですか?
サービス料も頂いてるわけなんで。
だから、普段は、「このお客さんが喜んでもらいにはどうしたらいいかな~」って考えながら、料理のお話をしたり、お酒を作ったりするんですね。
でも、このステップ①の場合は違います。
簡単に言うと、冷たくするんです。
相手にしない。
それで向こうも、相手にしてもらえないと思って、来なくなればそれが一番平和なんです。
ただこの時は、それでも来店され続けました。
次のステップ②です。
酔う、歩けない、帰れない、お母さまに迎えに来てもらう。
ということがあった次の来店時にお伝えしました。
「酔いすぎて、ご自分で帰れなくなっておりました。お母さまにも、スタッフにも、それを見た他のお客様にも、迷惑です。次このような迷惑行為があったら、出入り禁止とさせていただきます。」
じゃあ、相手は、「おぉ、分かったわかった、ごめんな!」というわけです。
これで次回予告は完了です。
そしてステップ③です。
このステップ②から③の間もおそらく2~3ヶ月はずっと耐えていました。
そして、ついに来ました。
また同じように、酔いすぎて足がフラフラ、ちどりあし。
お店にパテーションがあってですね、それにもたれかかったんですが、思うように足の踏ん張りが効かず、そのままガッシャーン・・・
はい、ガラスのパテーションがバリバリに。

くらぁ~!なにしてんねん~!
内心激おこです。
そして、即刻出禁です。
「もうホテルの敷居をまたがないでください。ホテルに入ってきたら、すぐに出て行ってもらいます。」
でもね、翌日また来られたんです。(笑)
すぐ出て行ってもらいました。
Case2:スピリチュアルルーム Nさん

こちらは、宿泊部屋のみ出禁という事例です。
60代女性、専業主婦です。
旦那様が、元大手システム会社のSEだったことから、すごく裕福なお金の使い方をします。
でも、出禁になってしまう理由があります。
宿泊部屋を改造するんです。
僕もルームサービスで部屋伺った際に見ましたが、信じられません。
照明、香り(お香?)、レイアウト、装飾品などなど、全部自分流にアレンジしてるんです。
何か、スピリチュアルのカウンセリングをしそうな雰囲気です。
もちろん、出て行っても匂いも付きますし、元に戻すのも一苦労です。
宿泊リピーターで、30連泊とかするんで、有難いんですが、ホテルの備品関係を触られてしまうと、次のお客様に迷惑がかかります。
次のお客様を出迎えるために、部屋を掃除するのに、だいたい1部屋40分くらいで終了しますが、その部屋は2時間を超えるそうです。
ホテルを自分の家だと思い込んでいるのでしょうか。
ましては、家もすぐそこなんですが、ホテルに連泊する。
こちらは、宿泊の支配人と話し合い、1時間以上の説得の末、宿泊は出禁ということで落ち着きました。
ただ、今でもロビーの椅子に座ってスタッフとおしゃべりをしたり、レストランに食事をしに来たりはします。
部屋を改造する以外は、出禁にする理由はないので、お迎えしています。
Case3:変態芸能関係者 Oさん

一番、不快でした。
今でも思い出すとイラッと。
70代の男性です。

このやろー!!!
ホテルなんで、芸能関係の方もいらっしゃるんですね。
それで、イベントが終わってからの2次会で来てくれました。
周りのスタッフさんとかも合わせて、10人くらいでした。
お酒も入っていて、皆さんテンションが高かったんですよ。
それでねぇ、当時バーには、ドレスで勤務する女性スタッフがいました。
お出迎えしたり、オーダーを聞いたり、ボトルキーパーの顧客のお酒を作ったり。
その女性スタッフ、当時20歳。
タレントさんを目指していて、芸能事務所にも所属していて、地方のテレビCMにも出演しているくらいの子だったので、かなり綺麗で背も高かったんです。
そんな将来芸能界を目指す20歳の綺麗な女の子を見かけたものですから、すぐ気に入ってしまって。
必要以上の会話とか、こっちに来いとか言って呼んだりしてるんですね。

うぅ~ん、ちょっと嫌な感じするな~
と思っていたんですね。
ただ、その日が結構忙しくて、注意喚起ができなくて。
余裕があれば、「ちょっとお酒入りすぎてるから、あのお客さんにはあまり近づかないでね、男性スタッフが代わりに行くので。」と言えたんですが、後悔です。
突然、女の子がずっと手を洗ってるんです。
「ん、どうしたの?」と聞くも、何も言わず、それから、すぐ退勤の時間だったんで、自宅に帰ったんです。
そしたら翌日、女の子のお父さんから電話がかかってきて「お客さんに手を舐められて、泣いて帰ってきたんだ。どんなお客さんだったの?それで、ちょっともう怖くて働けないって。」と。
ほんとにもう、申し訳なかったです。
もっとよく監視していれば、先に注意喚起をしておけば、周りのスタッフさんにそれとなくちゃんと言っておけば、他のスタッフとポジションを変えておけば。
後悔と悔しさと怒りがこみ上げてきます。
もちろん、出禁にさせてもらいました。
スタッフさんにご連絡を差し上げて、
「手を舐められたスタッフが怖くて働けなくなってしまって、退職してしまいました。こちらのスタッフをそのようにする方は来ていただけません。」
また同じことをされたらたまったものじゃありません。
そういうお店じゃないんですから。
まとめ
正直、出禁になんてしたくありません。もちろん、されたい人もいないでしょう。
だけど、仕方ないんですよ。周りのお客様、スタッフに迷惑がかかる、精神的苦痛を味わわせてしまうっていう場合は。
ホテルには、1日沢山のお客様がいらっしゃいますから、皆さん平等に楽しんでほしいわけです。それを1人のために色々なものを犠牲にしないといけないとなると。。。
スタッフ側からも、お客さん側からも、良いホテルを作りたいと思える関係をつくりたいものですね。
出禁とはいかないまでも、変わったお客様たちの記事はこちらです↓↓
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。またお気軽にコメントください。では、またお会いしましょう^^
あと、僕の大失敗の経験の記事も良ければどうぞ↓↓
やばいお客さんからのストレスもあり、退職も考えて副業をやってみた経験談はこちらから↓
おまけ

あつしの30秒プロフィール!
高校の時に読んだ本をきっかけにホテルマンになることが夢に!
そして、いざ就職!
しかーし、月250時間以上の労働の現実…
なんとか10年以上継続も、管理職になりさらに精神的に追い詰められ、長時間労働で体にもガタが…

こんな生活が続いて、心と体は健康なままでいれるのだろうか?

これから家族と満足いく時間を過ごすことができるのだろうか?
そんな悩みがずっと心にある中、出した結論。
いつでも会社を辞めれる準備をしておくこと!
そして、パソコンを購入し、在宅ワークを開始!
だけど…プログラミング、動画編集に挑戦するも、全く結果を出せず。
会社員での10年間の生活は、個人で稼ぐためには全く役にたちませんでした。
しかし、ふと出会った動画をきっかけに学んで、実践後半年で10万を稼ぐことに成功!
その後も継続して結果を出し、最高月商108万、粗利16万を達成!
ホテルマンの勤務外での時間で、ホテルマンの初任給と同じくらいのお金を稼ぐことに成功した僕ですが、個人で稼げるようになって手に入れたものはお金以外にもあります。
それは、”会社を辞めても生活していける”という精神的余裕を手に入れたことです。
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不安定な世の中で、自分の将来の選択肢を、自分の手で掴んでいきましょう!
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